ローマ人の物語 (13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)

紀元前44年3月15日のカエサル暗殺後の物語。若きオクタヴィアヌスが全権を掌握していく。成長しながらチャンスをものにしていく。カエサルの遺言状で後継者となったのが18歳。クレオパトラを自死に追い込み内戦を終結したのが33歳。四、五十代から活躍したカエサルと対照的に早熟の活躍である。社会の流れの先が読めて、そのチャンスにbetできる実行力があれば歳はあまり関係ないのかもしれない。オクタヴィアヌスは若造に見られていることを利用して偽善を装い、要所要所を押さえていく。また、先が読めたオクタヴィアヌスに対して、読めていなかった暗殺者達と元老院派、クレオパトラの最後が無残である。動植物が弱肉強食の世界でたんたんと淘汰されていくように、人間が作り出す歴史の中で人間も先が読めなければたんたんと淘汰されていく。

・人間なら誰にでも、すべてが見えるわけではない。多くの人は、自分が見たいと欲する現実しか見ていない。byカエサル

・信頼とは、盲従でしかないのかもしれない。

・優れた男は女の意のままにならず、意のままになるのはその次に位置する男でしかない。

・歓待とは、客人が無意識下で望んでいたものを提供することである。ただし、それだけでは十分でない。客人は満足しても、いつかは飽きるからだ。ゆえに、客人が無意識下に望んでいるものを与えつつも、同時に思いもしなかったものを提供することで、それにプラス・アルファする必要がある。
→セブンイレブン鈴木会長の7プレミアムが当たった時、すぐ次のものを開発しないといけない。人間はすぐ飽きるから。という言葉を思い出した。

・亡きカエサルの若き後継者は、時が熟すのを待つことは知っていたが、時は、坐って待つのでは熟さないことも知っていたのである。