世界史を西世界・東世界・イスラム世界の三世界の覇権争いという切り口でまとめている。西世界は西ローマ帝国からゲルマン国家(フランク族のフランク王国、アングロサクソン系のヨーロッパ諸国、アメリカ)へ、東世界は東ローマ帝国から始まりロシアへという生い立ち。東西冷戦というイデオロギー対立にも、その前に長い歴史があることが良くわかりました。ペリー来航の影響もあって西世界に入った日本。一気に西洋化を行い、さらに人口がそこそこ多いこともあって、中国と東南アジアを足がかりに覇権国家を目指して失敗。一方、国共内戦で共産党が勝ったため東世界に入った中国。古くから大帝国を打ち建ててきたが中国大陸が豊かなため国外に出て覇権国家を目指すことはなかった。などなど、これまで知らなかった切り口で面白いです。今後は、世界のニュースを「三世界の覇権争い」という視点で見れて面白くなると思いました。大雑把な解釈を書きましたが、本文では世界の歴史が西暦とあわせて細かく書かれています。この本を3回ぐらい読めば大学受験の世界史は6,7割とれるんじゃないかと感じました。山川の教科書よりも各歴史につながりがあって頭に入ります。