製菓会社のサラリーマンが早期退職募集に翻弄されながら自分なりの生き方を見つけていく話。主人公のサラリーマンの心の動きが黒澤明監督の「生きる」の主人公に似ているな、と思った。しかし、この本の主人公は亡くならない。そこが違う。会社人間であったとしても「やり終えた」と思える仕事をし、きっぱり次の道に進みたい。一生懸命会社にしがみつく年長者を見ていてつくづく実感した。まあ、そういう人にも、その人なりの求道があるんだろうが。