ライフネット生命創業者で、現在は大学の学長をされている出口さんの日本古代史の本。
中国と日本の人口やGDP比較など、数字、ファクト、ロジックを用いて納得感のある歴史背景が説明されている。著者らしい。
中国に強大な大帝国が生まれると朝鮮、日本が動揺する。一方、中国大陸が内輪もめしている間は、朝鮮も日本も羽を伸ばす。東アジアの古代史はその繰り返し、という著者の指摘はわかりやすい。
・中国王朝の気候が安定し、食料生産が安定して大帝国ができる(維持できる)。
・中国の大帝国が倒れると周辺諸国への抑えがゆるみ、周辺諸国に王権が成立する。漢が崩壊した後に、倭に王権が生まれた。
・天皇家と蘇我家は近い。蘇我家の流れをくむのが藤原氏。蘇我、藤原氏が権力を温存したことに加え、国力が弱い(人口少ない、GDP小)ため、天皇中心の中央集権化ができなかった。
・古代日本は人口が中国の十分の一、GDPが半分だった。そのため、平城京、平安京も未完だった。
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0から学ぶ「日本史」講義 古代篇