ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)

共和制ローマは内紛により混迷する。混迷の原因は、貧富の格差拡大により、軍隊の担い手だった中間層が減り、ローマの根幹の軍隊が弱体化したことと、失業者増大による社会不安である。ティベリウス・グラックスと、ガイウス・グラックスの兄弟が、自作農推奨政策で失業対策を行い、中間層の復活を狙ったが、既得権益者の元老院(富裕層)の抵抗にあい、殺害される。その後、マリウスが、兵士を志願制にし失業者を取り込むことで、失業者問題を解決し、軍隊の強化に成功する。

・人間は食べられなくなったら食べられるところへ移動する。蛮族の侵入、難民の流入がそれにあたる。現代は、人道的な対応を試みているが未だ解決に至っていない。一方、ローマは、征服しインフラ整備をしてローマ化し、蛮族が自分の地で食べていけるようにした。

・同盟者戦役の結果、ローマ市民権をイタリア全土に拡大したことで、都市国家ローマが世界国家ローマへと飛躍することになる。

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ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)