7月6日から7月7日にかけて西日本が豪雨に見舞われました。被災された方にお悔やみ申し上げます。
特に、広島と九州北部は、以前も豪雨に見舞われており、被災された方の苦労は大変なものだと思います。
今回、同じ地域が被災したことを不思議に思い、テレビで放送される天気図を見ていて、海の位置など地理的要因があるのではないかと思いました。それは、停滞前線に湿った空気が流れ込みやすい水道や湾の先で豪雨が降りやすいのではいかという仮設です。以下、気象庁のアメダス図をもとに関係を見てみました。
まず、九州北部です。
九州北部の豪雨地域、朝倉、久留米は、九州を有明海側と周防灘側に分ける英彦山(ひこさん)山系の有明海側の山麓周辺にあたります。ここに東シナ海から有明海をへて湿った空気が入りやすくなっている可能性があります。
次に、広島です。
豪雨地域、東広島は、中国山地のふもとにあたります。そこへ、太平洋、日向灘から豊後水道をへて湿った空気が入り、中国山地にぶつかって雨が降ったと考えられます。
倉敷は、広島の雨をもたらした湿った空気が、中国山地沿いに移動しながら雨を降らせ、下流の倉敷地域の川が氾濫したと解釈できます。
最後に、京都です。
こちらも、太平洋から紀伊水道、大阪湾をへて、湿った空気が入ってきたと解釈できます。
このように、湿った空気が流れ込みやすい山間部やその下流域で豪雨被害が出やすいのではないかと考察しています。特に、近年は海水温の上昇にともない湿った空気の供給量が増え、降雨量の増加と広域化が進んでいるのかもしれません。そのため、これまで降雨が多かった紀伊半島など太平洋沿岸に加え、より内陸でも降雨量が増えているのだと思います。この災害は、これまで降雨量が普通だった地形が、降雨量に見合った地形へ変化している過程のような気がします。