SNSなどで使う短文の作成テクニックの本。具体的な作成テクニックは5章から始まる後半の1/3にまとめられている。心揺さぶる文をシステマティックに作る方法が紹介されており参考になった。
冒頭から2/3は「短文作成準備」と銘打った著者の「短文論」が中心である。所々でテクニックも紹介されている。
美文の紹介で川端康成の「眠れる美女」が引用されたいる。平易な表現で、一文が短く、読みやすい。野口悠紀雄著「超」文章法で書かれていた「簡潔で短い文をつなげていく」という考えのお手本のように感じた。逆に川端康成の文がお手本になっているのかもしれない。「超」文章法の方は理系の論理的な文章法のイメージ。一方、この本は詩的な文章を書くテクニックに重きをおく。どちらの本も文は短くするという点では一致している。
勝手に想像して結びつけてしまう人間の特性を使って、確かに心揺さぶる。
以下、読書メモ。
・大阪のおばちゃんがアメを持ち歩くのは相手にアメをなめさせてだまらせるため。
・自己紹介が自慢話にならないようにするためには、パターン化した自慢話から外れ、「実は。。。」という意外性(カミングアウト)を加えると良い。
・パソコンより手書きの方が文章が短くなる。書くのが大変だから。
・何となくほっつき歩くことをペルシャ語で「チャランポラン」
・人は自分たちの常識が通じない人たちを野蛮と呼ぶが、野蛮とみなされている側からすれば、あなたたちもまた野蛮である。
・金を使うより頭、あるいは言葉を使いたい。お金で変えないものしか買いたくない。
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簡潔で心揺さぶる文章作法 SNS時代の自己表現レッスン