火野葦平のインパール作戦従軍記。インパール作戦の悲惨さが改めて伝わった。
しかし、火野ら従軍作家と、一兵卒の差の大きさを感じた。
火野らは将校に頻繁に食事にさそわれており、インパール作戦従軍中も、一兵卒が味わったような食べ物が無いという状態には陥っていない。
現在の戦場カメラマンのイメージか。
今回、新たに知ったのは戦後の公職追放と自死。それと、帰国後の大本営の杉山元帥らへのインパール作戦の報告。
芸術家と国家の距離の取り方は難しい。
やはり国家に迎合するとあまり良い結果を生まないように感じた。
芸術家は人の心を動かす力を持ち、それを国家が利用する。その結果責任を芸術家がとることになる。
科学者も同様の危険性があり気を付ける必要がある。
帰国後に大本営の杉山元帥らへのインパール作戦の状況報告を依頼されている。ここは従軍記ではなく解説文内に記載されている。
その報告まで危機的な状況を把握していなかった様子だったことに驚いている。
トップが重要な情報を知るのはいつも最後であり、そのため方針転換が遅れ、悲劇が拡大する。
更に、軍隊のような1つの方針のために最適化された組織は方針転換のコストが大きく方針転換が遅れる。
現在の会社組織も同じ危険性をはらんでいると感じた。