経済成長絶対主義に疑問を投げかける本。著者の視点は、政府やメディアの言っていることと違うが、説得力がある。
経済成長ゼロが続いている日本。失われた20年といわれるが、それが当然であると感じる。
移民をもっと大規模に入れれば経済成長するかもと思っていたが、新たなインフラ投資に結びつくぐらい大規模に人が増えないと経済成長として表れないことが、本を読んでわかった。
著者の言うように経済成長しない現実を受け入れ、政府やマスコミに踊らされず、自分なりの生き方を模索する必要があると感じました。
以下、読書メモ。
・経済活動とは、人間が生きていくために必要な商品やサービスを交換すること。経済は、人間の身体というリミッターがある。これが消費活動の限界。
・人口減社会で経済成長はありえない。
・生産性の向上とイノベーションが経済成長につながるというが、生産性の向上は人件費カットが目的であるし、イノベーションは若者が減っている中で起きにくくなっている。
・製品が壊れて需要が生まれないと会社は利益が出ない。いいものほど利益が出ないことになる。いいものほど売れて消費されるのは兵器産業。
・すでに持っているものを劣化更新するだけなら経済成長ゼロ。
・アメリカ主導のグローバリズムが、もう一つのグローバル共同体であるイスラム社会と衝突し、グローバル化が一時止まっている。
・雇用なき経済成長は格差が拡大するだけ。
・若者が都会に行きたがるのは自分の能力を査定してもらいたいから。
・日本のマンガが世界トップになったのはパブリックドメインを最大限に活用したから。
・鶏鳴狗盗(けいめいくとう)どんな能力がどこで役立つが予想ができない。
・ネットの欠点はウソを発信できること。だれが発言しているか見極めるしかない。
・自分がどれだけ成長できるかで仕事を選ぶべき。