弱者の選択

非常に勉強になった。
本は昆虫の生き残りの話だが、人間の弱者の選択にもあてはまる。

p.50
どちらを選択するべきか迷うような状況では、生物はどちらか一方を選ぶよりも、どちらに転んでも良いような対策をとることが多い。

p52
農薬をまくと害虫が増える
天敵より害虫の方が数が多いから、害虫から耐性を持った突然変異が出やすい。

p.75
世の中のすべての生物が、ナンバー1になれるニッチを探し求め、他の生物とニッチが重ならないようにニッチをずらしていく。

p.77
条件を小さく狭く、細かくすれば、限られたニッチの中でナンバー1になれるチャンスが生まれてくる。

p.82
戦いに勝つには体が大きい方が圧倒的有利
小さな土俵で勝負する
ランチェスター戦略の弱者の戦略
他のところでは戦わず、1点集中で戦う。敵1人対3人の土俵にもちこむ。
ナンバーワンの条件は「誰にも負けない」ではなく、「誰にもできない」

弱者必勝の条件

p.88 複雑さ
条件が複雑になれば、有利になる条件を見つけるチャンスが増える

p.91 変化
安定した環境よりも、変化のある不安定な環境の方が、多くの弱者にとってチャンスがある

p.92
複雑で、変化にとんだ最悪の条件が、弱者にとってチャンス

p.96
破壊された環境に最初に進出するパイオニアプランツは豊かな土地になると他の植物に駆逐される。そして新たな破壊された環境というニッチへ種を飛ばし、移動していく。それが強者に真似のできな弱者であるパイオニアの生き方、戦略。

p.114
予測不能な変化が起こる環境では、ある1つの方法で成功したからといって、次もまた同じ方法で成功するとは限らない。また、環境が変化をすれば、環境に合わせて生物も変化をしていかなければならないが、環境の変化にあわせて変化を遂げることは簡単ではない。
成功した個体を長生きするよりも、多様な性質を持つ卵や種子を作って、世代交代を早める方が、新たな環境に適応していくことができる。そのため、予測不能な環境に生きる生き物は寿命が短いのである。

p.118
タカ派とハト派のゲーム理論では、タカ派はマイナスになり、ハト派はわずかにプラスになる。
徹底して戦わないのがベスト。戦うことは、負ければ損害が大きすぎるし、勝っても損害は免れない。

p.136
大きい個体と小さい個体に2極化する種がいる。平均であるはずの中間は、力で勝てず、「こそ泥戦略」のような小さいことを武器にした戦略がとれず、種を残すことができない。

p.138
草食動物に対抗してイネ科植物は成長点が根元にある。
p.140
更にケイ素で葉を固くすることで食べにくくした。だから人間は食べられない。

p.150
自分の利益より相手の利益を先に与えることで、双方に利益をもたらす友好関係を提案した。例、子房を発達させ甘い果実にした。
聖書「与えよ、さらば与えられん」