第二次世界大戦前、中の各国の政治情勢、軍事情報が紹介されている本。
大国だけでなく、ギリシャ、東欧、バルト三国や中近東諸国の状況などもあり勉強になった。各国が国益を考え、各陣営に加わった経緯がわかった。
特に、フィンランドが興味深い。状況が日本と似ていたが結果が異なる。継続戦争では、地理的にソ連と接し、領土回復を狙って枢軸側に加わった。ドイツ敗戦必死と判断したらマンネルヘイム主導でソ連と講和した。
賠償金をとられたが、日本のように国土が焼け野原になることはなかった。
マンネルヘイムの存在が大きい。独立戦争を指揮した英雄。日本でいう元老である。日本も元老がいた日露戦争はうまく講和に持ち込めた。
世論に加え、軍をも従わせる賢明な政治家がいないと戦争を早期に終わらせられない。
さらに、ソフィン戦争はソ連が兵士の犠牲より勝利を優先することも示唆している。ウクライナ戦争は、ロシア側の犠牲数の多さからロシア劣勢と言われるが、それは参考にならないと思う。