【書評】「食べられる」科学実験セレクション

食品関係の科学実験が紹介されている本。メカニズムの説明は専門用語も出てくるしっかりしたものだが、イラストでわかりやすく説明してくれていて良い。

・コメはデンプンに水が入り込んだのり状のα化デンプンにしないと消化できない。α化デンプンを冷蔵庫の0~5℃の環境に置いておくと水が抜けβ化デンプンになってしまう。冷凍すれば水分が含まれたままのα化デンプンで保存できる。

・おにぎりの食中毒は手の黄色ブドウ球菌による。黄色ブドウ球菌は1株が27分後に2株に分裂する。7時間後に3万個以上になる。ラップで握ると良い。また、熱々でなく、蒸気を飛ばしたから握った方がべとべとにならない。

・ミカンの薄皮むき
水200mlに重曹大さじ一杯いれ沸騰させる。
沸騰したら外皮を向いたみかんを入れ、混ぜ、薄皮が溶けたらすぐに火を止める。
水を張ったボールでよく洗い、重曹を洗い流し、皮が溶けるのを止める。

・植物の細胞壁はセルロースをペクチンとヘミセルロースが接着してできている。重曹はペクチンとヘミセルロースをとかしだす。

・枝豆は朝のとれたてが甘い。光合成前の糖分が残っているから。

・上白糖にはショ糖(二糖類)に果糖とブドウ糖といった単糖類が入ったもの。果糖が甘いので、ショ糖のみのグラニュー糖より甘い。一方で単糖類は吸湿性がありしっとりとした砂糖になる。加えて果糖とブドウ糖はアミノ酸とメイラード反応を起こしメラノイジンという茶色物質を作る。グラニュー糖を使えば白いままで着色しない。

・パンや肉の焼き色、コーヒーもメイラード反応により茶褐色になっている。