ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンによる人の心理パターンを説明する本。直感(早い思考)と熟考(遅い思考)の2つが心理に影響し、特に直感はバイアスがかかりやすい、ということを理解しておくだけでも役に立つ。
・今日はすごく気分がいい。ってことは熟考しなくなっているから、気を付けないと。
・少数の法則。少ない一部の事象が、全体を表していると思ってしまう。
・何らかの数字が示されたら、どんなものでもアンカリング効果を及ぼすと考えること。熟考で何としてもこの効果を打ち消すこと。
・今回の交渉の目標は、相手にこの数字をアンカーにすること
・相手が本気でこんな提案をしてきたなら交渉打ち切り。こんな提案を交渉の出発点にすることはできない。
・ある事柄の確率を予測するときは、その事柄を含む全体の妥当な基準率をアンカーにする。
・妥当な基準率を動かす「証拠」を常に疑うこと。
・人は全体から個を推論することに不熱心だが、個から全体を推論することには熱心である
・個別の事例は強烈なインパクトを与える
・ただの統計データを見せてもみんなは考えを変えない。それより1つか2つの代表的な事例を示して、直感に訴えたほうが効果的。
・平均回帰。回帰式上にもどる。分散。分散に理由はないと心得ること。
・直感は連想マシンである。手元情報で勝手にストーリーを作り、自信を持ってしまい、自信過剰な判断を下す。
・直感的予測は極端に偏った予測をしやすいと肝に銘じ注意すること。
→直感をもとに注意行動することは良いが、最終判断は熟考する。鳩のように。
・商品レビューは中身より件数。件数が多いものの中から良さげなものを選ぶ。
・グーグルの成功ストーリー。平凡なことは語られない。先見の明があったにしても不運に見舞われて実行できなかった可能性は語られない。成功には語られる以上に運が重要な役割を果たしている。
【効果的な面接手順】
・この仕事で必須の適性(技術的な理解力、社交性、信頼性など)、6項目ぐらいを決める。
・適性は質問で確認できるものを選ぶ
・各項目で質問リストを作成し採点方式を考える。5段階、傾向が弱い強いなど。
・ハロー効果を防ぐため1つの項目を採点してから次の項目に移る。
・合計点が最も高い応募者を採用する。気に入った応募者を選んではいけない。