【書評】後悔の経済学 世界を変えた苦い友情

マイケル・ルイス氏による認知心理学の開祖カーネマンとトヴェルスキーの物語。「マネーボール」で触れなかった専門家が判断を間違える理由を、第一章で答え、その考えを生み出したカーネマンとトヴェルスキーの物語へと入っていく。第一章が短編のようで面白く読めた。

・彼は自分の作ったモデルは「正しい答え」ではなく「ましな答え」だと思っている。

・当然ながら、モデルにも検証と監視が必要だ。モデルでは知りえない情報もあるから。

・ロケッツはそれまで測定されていなかったものを測定して、オリジナルのデータを集め始めた。

・スカウトはほぼ一瞬で印象を決め、そのあとはその印象にあうデータを集めてしまう。確証バイアス。見たいものが見えやすく、気づきやすくなる。さらに固執してしまう。

・人間の思考は非合理に弱い。AとBという事象が偶然連続で起きると、因果関係があると信じてしまう。

・第六感や直感は、飛躍と非合理な即席の思考(ファスト思考)で成立している。

・記憶で補正するのが合理的な熟考型のスロー思考。

・本当のランダムと人がイメージするランダムに乖離がある。