【書評】歴史探偵 昭和の教え

半藤一利さんのエッセイ集。エッセイとは言え、歴史の見方を変える視点や調査結果が書かれており、「歴史探偵」の名にふさわしいエッセイ集。

・前回アメリカが自分の殻に閉じこもったときに、日本、ドイツが現状変更を試み、第二次世界大戦が勃発した。アメリカは日本が真珠湾攻撃するまで殻に閉じこもったままだった。

・今、アメリカが殻に閉じこもっている。今回はロシアと中国が現状変更を試みる可能性が高い。

・「勝者なき平和でなければならない。勝者も敗者もない平和だけが長続きするのだ」

・ニホンとニッポン。対外的には威勢のいい「ニッポン」が使われる傾向がある。

・つまらぬ世の中の評価などに一喜一憂することなかれ。問題は世間ではなく、自分自身。世の評判なんかには超然として牛のように力強くいいものを作ろうとだけ努力したまえ。by漱石。兼好法師、芭蕉も同じことを言っている。