【書評】完売画家

アート業界で活躍著者の自伝と業界を良くしようとする取組みが書かれた本。画家として生活するためにとことん考え、試行し努力している。試行回数が多い。批判を恐れない、失敗を恐れない、試行回数を増やす努力が必要だ。どんな分野でも。

・日本でフルタイムの画家は30人から50人ぐらい。作家の取り分は3割。年収3000万が日本の画家の限界。

・日本では転売価格が何分の一かに下がってしまうことが問題。買った後のケアが必要。セカンダリーマーケットが高ければ、プライマリーマーケットも高くなる。セカンダリーマーケットが暴落すると画家の最後。

・プロ野球の市場規模は2000億円。アート市場は3000億円。

・「かわいい」を制すれば、世界を制す。

・そら豆型は「かわいい」のヒント。「猫」も。

・新しいチャレンジをして現在の既得権益層から利権を奪おうとするなら排除される。内側から変革を試みるよりも、自身が村を飛び出して村をアピールする。変革より拡張。

・僕がやるべきこと、やりたいことは、「芸術、アートを身近に感じてもらう」。

・ひとつの価値観を共有する共同体(コミュニティ)を作るのは、これからの時代、人が幸せに生きるために重要です。

・かつては地域コミュニティが機能していましたが、新自由主義とネットがそれを破壊した。

・考え方は人それぞれ。意見をぶつけ合わせ、相互理解を深めることは重要。

・顔の見えないインターネット上では、相手に対する思いやりが欠如し、攻撃性が増す。昔ほどネット空間でコンセンサスをとるという幻想は、機能しなくなっている。

・だからこそ、オープンなネット空間で価値観を共有できるクローズドのコミュニティを作ることは、意味がある。

・コミュニティに属するということは、価値観を共有すること。価値観を共有できる人たちと一緒にいることで、安心感や連帯感が生まれる。

・誰の強制でもなく、能動的に自分が参加することで、自分の価値観を認識したり、自分が持っている不安や寂しさを包摂できる。

・どこかのコミュニティに属し、自分の役割や居場所を見つけることは、大金を稼ぐことよりも幸せにつながる。そのような場を提供したい。

・僕は相変わらず批判もされるし、失敗することもあります。それでも、人生は一度です。自分の正義を貫きましょう。