【書評】戦争というもの


短くて飾らず読みやすい。 人を惹きつける勇ましい言葉は出てこない。客観的に近い立場で戦争の真実を知ることができる。コロナのように社会のルールや雰囲気が一気に変わる経験をしていると、さらに臨場感をもって読むことができる。

・11/5の御前会議で開戦の国策決定。11/13に連合艦隊司令長官山本五十六大将は指揮下にある各艦隊の司令長官と主要幕僚を山口県岩国海軍航空隊に集めて、戦争となった場合の最後の打ち合わせを行った。最後に祝杯をあげ記念撮影を行った。
→岩国に米軍基地が設置された理由か。米軍は、降伏文書調印のミズーリ号はペリー黒船の停泊位置近くで停泊したし、上皇様の誕生日にA級戦犯の処刑を実施。メモリアルにこだわる米軍。

・ミッドウェー敗戦の原因「運命の5分間」は無かった。米機動部隊の出現に備えて飛行機の半数を即時出撃態勢にしておくように、という連合艦隊司令部の指示を南雲司令部は無視し全て陸上攻撃の準備に回していた。戦後、その失態を隠すため「運命の5分間」をでっち上げた。戦後、南雲機動部隊の参謀長だった草鹿中将にインタビューで確認した。「敗因は驕慢(きょうまん)の一語に尽きます。」
→これで国の命運が決まったと思うとやり切れない。