【書評】考える日本史

歴史を知ったうえで、論理を組み立てて解釈を試みている本。各歴史をエッセイ風にまとめている。知識を考えに変換する良い例になっている。

「徳」の字はもとにもどすという意味がある。徳政令は借金を棒引きすること。天皇名に「徳」が入っているのは京都以外で亡くなった天皇に「戻ってきてください」という思いが込められている(安徳、順徳、崇徳)

古代は教科書的には輝いて見えるがそうではない。律令はあくまで努力目標だった。そもそも日本では法よりも、権力が上に見られてきた。

秀吉は城攻めを土木工事と兵站の問題に変えた。
→兵士を「遊ばしておく」ことがいやだったんじゃないかと思う。足軽だったからどこに無駄があるかわかっていたのではないか。着陣したら戦いまで土木工事させ、移動は「ちんたら」でなく効率的に最小日数でさせたかった。

第3極という視座を持つこと。二者択一の視座では複雑な状況に対応できない。第三極の視座で自分の立ち位置を相対化させながら生き残りを図っていく。
より複雑な対立関係がうまれる
項羽と劉邦と韓信
韓信は山東半島の王の時代があり第3極になりえた
劉邦の部下に固執し「狡兎死して走狗煮らる」になった(劉邦に反乱の疑いで殺された)

議員の世襲化、格差固定が進んでいる。世襲社会は安定重視。競争無くGNPも低下していく。それも1つの道。異なるものとの出会いは今後少なくなるかもしれない。平安時代のような中だるみ時代になるかもしれない。