いくさの底

読了後、装丁を見ると、そのデザインに恐怖を感じる。時刻表トリック西村京太郎サスペンスの日本軍版サスペンス。日本軍の組織論トリックのサスペンス。
組織の論理を優先する全体主義、自己犠牲を美徳とする武士道に基づいて無駄のない組織を作り上げる。過剰最適により組織形態を変化させるコストが高くなりすぎて自己変革が難しくなる。つじつまを合わせるためのシワ寄せは、下っ端にまわってくる。破滅するまで変われない。外圧がないと変われない。

外資で復活した日産、シャープを見ていると現在も同じ問題を抱えていることを痛感する。
その辺の問題点を認識したワンマン経営者が1つの解決策か。ユニクロの柳井さんとか。

気に入った文をメモ。

・支那人は百年先を考える。目先の勝ち負けに一喜一憂し、個人の名誉不名誉にこだわる日本人とはものの考え方がまったく異なります。

・いずれ取り返せばいいのであって、そのための布石を打っておけばよい。