2022年1月放送開始予定のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公、2代執権・北条義時の覇業を文献情報をもとに説明した本。文献だけでは読み取れない事件の狙いなどは歴史家の見解、作者の見解が述べられている。御家人たちの主導権争いは、嫉妬、恨みも絡んで複雑。吾妻鏡が多く引用されている。吾妻鏡を熟読していた徳川家康。関ヶ原合戦は関東から上方までのぼって戦をした承久の乱に似ているし、小山評定は北条政子の演説に似ている。豊臣政権内で主導権を握っていく過程も吾妻鏡の記載の参考にしているように感じる。前半生は目立たず、最後に権力を握るのも義時と家康は似ている。家康は義時を参考にしてたんじゃないかと考えたくなる。自分の中では、徳川家康の覇業と比較して、歴史を勉強してどう生かすか考えさせてくれた本でした。(この本の中では徳川家康の話は出てきません。)
・平氏滅亡に気候が影響した可能性が高い。本拠地の西日本での干ばつ(養和の飢饉)で食料調達難。熱帯ではやるマラリアによる清盛の死。頼朝挙兵時は平氏優勢だったが長期化するごとに平氏不利になっていった。
・頼朝挙兵は大義は無くやむを得ず行った暴挙に近い。しかしタイミングが良かったため事がうまく進み、後から大義がついた。