最近の進化を踏まえたAIの活用法を提案する本。
私の理解は以下。
最近のAIはコモディティ化が進み導入のハードルが下がっている。そのためAIを導入するだけではアドバンテージにならない。AIを使ったサービスを回すと同時にデータを蓄積し、リアルタイムで蓄積されるデータでAIの精度を向上させアドバンテージとする必要がある。これが1つ目のループ。
加えて、最近のAIは少ないデータでも予測精度があげられるようになってきている。そこでもう1つのループでアドバンテージを作る必要がある。それが、AIの予測精度向上とともにユーザー利便性向上をはかっていくループ。
デジタル化進んでいない日本こそチャンスが大きいと説く。
その通りだと思う。実行あるのみ。しかしその「実行力」が硬直組織の日本企業のネックなのである、と思った。
・データ蓄積を急ぐためにまずは出来合いのAIシステムを導入し、その後、自前のシステムに移行して、E2E学習でAIを賢く育てていく2段構えが必要。
・GAFAMの標準化されたモジュールには太刀打ちできない。個別案件に特化したアドバンテージのあるAIシステムを育成し、それらを複数組み合わせ、多くのループを回して他社に対抗する。
・同じようなサービスの中で「最高の顧客体験」を提供すれば、それはそのまま競合に対する強みになる。ユーザー一人ひとりにパーソナライズされたUXを突き詰めていけば顧客はほかのサービスでは満足できなくなる。
・サービス提供側から働きかけてユーザーを成功に導く「カスタマーサクセス」の取り組みが重要。顧客に成功体験をもたらすことができれば、他社に対する圧倒的な優位性を築ける。
・大量にデータあるといっても、それがAIにとっていいデータかどうかわからない。さらに、そのデータを分析したところで、過去のことはわかるかもしれないが、未来のことはわからない。
・リアルタイムデータを扱わないと時代の変化に取り残される。
・データを握ったものが勝つのではなく、リアルタイムでデータが入ってくるループ構造をつくったものが勝ち続ける。