【書評】教養としての「地政学」入門


相変わらず著者と歴史の知識に圧倒される。歴史を時代、地域横断的に俯瞰して地政学がどう影響しているか説明している。

・日本の同盟相手はアメリカがベスト。しかしアメリカは選択肢の1つでしかない。この状況を認識して外交を進める必要がある。アメリカ-中国の同盟もありうる。一方、日本-中国の同盟をアメリカは最も嫌がる。

・大河が歴史に影響している。昔は陸上交通よりも水上交通の方が効率が良かったから。ナイル川。そして北部九州から大和につながる瀬戸内海。

・陸の地政学はいかに敵を挟み撃ち状態にするかということ。

・海の地政学は半島と海峡が重要。移動しやすい水上交通の中継点となり難所となる部分。

・GAFA、ユニコーン企業のキーワードは、女性、ダイバーシティ、高学歴(メシ・フロ・ネルの生活から、人・本・旅の生活に切り替えて学び続けること)

・九州は活況のアジアマーケットに近いというメリットがある。地域おこしに必要な視点。

・平清盛政権(1167太政大臣就任-1181病死、16年間)は約15年。源頼朝、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康も覇権は約15年。

・清盛のグランドデザインを頼朝が引き継いだ。秦の始皇帝のグランドデザインを漢が受け継ぎ、隋のグランドデザインを唐が受け継いだ。

・アヅマ(東)は東の境界を指す言葉。サツマ(薩摩)は西の境界を指す言葉。アヅマとサツマは対の言葉である。