教養としての「中国史」の読み方

中国が持ち続けている特徴は、「官民乖離」に「コミュニティへの強い帰属意識」、そして「1つの中国」

鄧小平の改革開放は、官民乖離に即していたからうまくいった。政治は共産党の一党独裁が官として社会主義を維持し、民に資本主義経済をまかせる。

中国はもともと1つでない。政権もいろいろ変わってきた。民は生き残るために精一杯である。そのため、官民乖離が起き、身近な家族、親族などへのコミュニティへの帰属意識が強い。そこから政府への不満が生まれやすいので1つの中国に政府はこだわる。

官民乖離に中国人は違和感を感じない。儒教から生まれた朱子学が2つに分けて考える方法だから。一方で日本は何でも一体として考える。

フランス以上の大きさの国になると独裁的な統治システムをとらざるを得ない。→共和制ローマが帝政になったみたいに

日本と中国の関係が最もうまくいっていたのは、清の時代なのです。なぜうまくいっていたのかというと、この時代は日本が鎖国していたため、必要最小限度の交流しかしていなかったからです。
あの時代こそ日中の理想形でしょう。

荘子
君子之交淡如水、小人之交甘如醴
「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴(れい)の如し」
「よくできたすばらしい人の交際というものは水のようにさらりとして深入りをしないもので、つまらない人の交際は甘酒のようにべたべたしている」