今につながる日本史

最近の政治、事件などを過去の歴史と結び付けて理解しようとする本。歴史から学ぶ、を実践する本である。中には関係性が薄いんじゃないかと感じる部分もあるが、現在起きていることの理解を深める参考になる。日韓対立の部分が特に勉強になった。徴用工問題の経緯が理解できた。新聞もこれぐらいの内容をしっかり書いてくれれば、両国の世論も冷静に落としどころを見いだせると思った。お互いの立場を尊重するために敢えて玉虫色の合意をした経緯。それを蒸し返している韓国。韓国政権の世論対策、日韓対立を煽りたいグループの圧力などあるのかもしれない。日本は冷静に対処すればよいと思った。本には出てきていないけど、尖閣諸島問題も同じ構図だなと感じた。こちらは日本が国有化という現状変更を先にやっちゃたけど。韓国も日本も同じ穴の狢、国家とはそういうゲームをしているんだと思い至りました。

最後に掲載されている出口治明さんのインタビューが良かった。歴史の見方、捉え方が出口さんオリジナルで参考になる。

・明治維新は設計図を描いたのが阿部、それを実行に移したのが大久保、さらに制度として仕上げたのが伊藤です。維新というより、日本の近代化の最大の功労者はこの三人でしょうね。→これまで国、幕府、藩のためという語り口がメインだったが、これを読んで、各個人が自分のやりたいことを、自分の所属する組織を使って実現した、という見方もできると思った。

・国を開いてどんどん儲けて、兵隊も強くしようという「開国、富国、強兵」の三本柱がうまくいって、日本は日清・日露戦争と第一次世界大戦に勝利したわけです。しかし、成功モデルが続いたのはこのあたりまでです。相次ぐ戦勝で日本はのぼせあがり、「開国」という柱のひとつを捨ててしまったのです。

・近代国家に必要なのは、化石燃料と鉄鉱石とゴムです。自動車と飛行機が何で作られ、何で動くのかを考えればわかるでしょう。「自国ファースト」ができるのは、この3つの資源がある国だけで、なければ「開国」で国際協調するしかないのに、日本はそれがわからなくなってしまった。→今も化石燃料と鉄鉱石は必要。そして「富国」のためのインターネット、情報技術かな。だから米中は情報技術分野を主戦場にしている。化石燃料、鉄鉱石にまで対立が及ぶとHot Warになるんだな、だから今は戦争にならないな、と理解できる。

・人間と動物の違いは、生態系を超えて資源を持ってくることができるかどうかです。動物は生態系にあるものしか使うことができないので、文明を起こすことができません。日本も鉄が無ければずっと縄文時代のままだったと思います。生口と交換に鉄を手に入れて、文明が起きた。