地球星人

コンビニ人間は既存の社会の中で自分の居場所を見つけて生きていこう、という少し前向きな終わり方だけど、この小説は、順応せず、行くとこまで行っちゃうとこうなります!て感じ。
子供の性被害など、いろいろな問題が提起されているように感じるけど、大きな流れはコンビニ人間と同じように、社会の普通が、普通ではない、ということを問い続けている。きれいごとだけで覆い隠されている大人社会を批判している小説だと思った。

・微妙な親戚関係の描写も家族団らんのステレオタイプな見方を否定する。子供の時はわからないけど大人になると「そうなんだような」と思わせてくれる描写だ。

・自分も含めて、多くの人が「由宇」のように社会に適用しようと努力している立場だと思う。

・後半は大岡昇平の「野火」と、江戸時代の飢饉時の人肉を食べている餓鬼みたいになった人の絵を思い出した。「野火」だと、同調圧力の中から解放され、さまよい、追い詰められ、生きるためだけの選択をしていく。「餓鬼」だと、「なにがあってもいきのびること」を考えて、まわりを気にせずにやることを選択すると「餓鬼」になるんだと思った。コンビニ人間は「餓鬼」になる前に社会との妥協点を見出す。人それぞれ妥協点が違うのだと思う。