2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話 – NHK

2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話 – NHK

「ローマ人の物語」などの著者でありファンである。偶然、Eテレで塩野七生が高校生の質問に答えるという番組を見た。これから人生を歩む高校生の率直な質問が、塩野さんの考えを分かりやすい形で引き出していた。塩野さんもまだ社会経験の少ない高校生に分かりやすいように説明してくれる。対話に引き込まれてしまった。高校生と塩野さんという組み合わせが本当に良かった。高校生と「その道のプロ」が対話する番組って結構ありだと思った。

・壁にぶつかるから考える。すんなり行ったら考えない。

・東大に落ちたのが挫折だった。なぜ東大に行きたかったのか考えた。講義を受けたい先生がいたから。その先生が学習院大学でも講義を持っていたので学習院大学に進んだ。また、なぜ東大に落ちたのか、同じく東大に落ちた利根川進先生との対談で考えた。授業を受けていると教わったことがヒントになって連想がどんどん生まれて授業に集中していなかったから。でも連想が重要。好奇心が旺盛ということ。

・免疫は挫折で身に付く。

・自分がいやなことは、自分が正しいと思い込むこと。狂信的になること。

・自分はドストエフスキーが苦手だ。その理由を知るために何度もドストエフスキーの曲を聴いた。なぜ納得できないか理解する。

・歴史を感じてもらいたい、と思って書いている。読者を歴史上の人物に近づけることを心がけて書いている。そのために、場面転換に注意を払っている。場面転換は、映画のカット割り、カットを入れるタイミングから学んだ。人生、何でも勉強になるという例でもある。

・ネットで見るのと本物を見る事は全く違う。実際に見ると何かが来る。自分は歴史上の人物と会話しながら、肉薄していく。

・日本が今、うまくいっていないと感じるのは、先を読んでしまうから。目の前のことに集中すること。まずは目の前の山に登る。そしたら次の山が見える。

・照明の当て方を変える事で本質をさぐる。

・鳥と虫の視点があると生きづらさは無くなる。複眼的に見る事。2つの視点を持てば乗り越えられる。

・「正しいもの」はギリシャの哲人も探し続けた難問。正しいものを探すと出口が見えなくなる。正解は無い。みっともないことをしない、見苦しいことをしない、という規範が、出口になると感じている。

・若いときに若さを満喫しないとキレる大人になる。