明治維新で没落した旧幕府方の人々が、西南戦争従軍を経て、旧来の考えの呪縛から離れ、社会の変化に順応し明治期で活躍していく。長州閥のように変化の波に乗れた勝ち組に対し、乗れなかった旧幕府方の負け組は、能力差を無視した待遇差をつけられる。主人公たちは、当初は勝ち組と同じキャリヤルートを目指し、武功を狙う。しかし、そのキャリヤルートは勝ち組に牛耳られ、結果を出しても、おこぼれの様な役職しかつけない。軍隊の中で旧幕府方の人たちのもがく姿を多く見、体験する。一方、医学、料理といった技術、株式投資の証券業、マスメディアといった今の勝ち組が作った社会の中で今後、もとめられていくものにも触れていく。
ITからAIへの変化、その他のいろいろな社会変化が起きている今、どのように生き抜いていくべきか考えさえてくれる小説でした。