一発屋芸人の不本意な日常

一発屋芸人に対する世間の扱い、イメージに対して、思いのたけをのべている。
加えて、できる後輩たち、「世界観芸人」への妬み。努力をして、チャンスを掴んだと思っても「やっぱりだめか」の連続。
しかし、ダメな自分をネタにすることで、お客さんは自分の方がましだと優越感にひたれて喜んでくれる。
駄目な自分、お客さんを笑いに変えて、肯定していく。

立川談志の「業の肯定」が実感できる本だと思いました。

・一発屋の芸はだれでもできる。高度にパッケージ化されているため、フレーズやネタの段取りが明確だから。レトルト食品と一緒。しかし尊敬されない。それはひとえに「自分でできる」からである。
通常、漫才はコントは観賞するものだが、一発屋の芸は唯一、「直接消費」ができる芸だからとも言える。
人は自分ができるものにリスペクトを抱かない。

・お笑い業界では、発明がないとうれない。そこに何か新しいこと、誰も思いつかなかったこと、誰もやれなかったことがなければ一発さえおぼつなかい。