もっと言ってはいけない

知識労働がメインになりつつ社会において顕在化してきた知能格差の問題を考察した本。遺伝、男女の脳の違いなど、平等主義の人には受け入れがたい意見も述べられている。すべてを肯定することはできないが、一部影響はあるかもしれないと感じた。あくまで一意見としてとらえるべき。

・知識社会に対応できる読解力、ITリテラシーを持っているのは先進国でも人口の1割程度でしかない。そのほかの知識社会に適応できない人々は、アイデンティティーしか誇るものが無くなり、ポピュリズムに走る。
→トランプ大統領の選挙戦略が的を得ていることがわかる。また2019年7月21日の参院選の直前に安倍内閣が発表した韓国制裁も。制裁前に論点になりかけた「老後2000万円問題」は有権者の大半を占める非エリートを刺激すると官邸は焦っただろう。参院選は終わったので官邸は韓国制裁を早晩収束させてくるだろう。

・東アジア系がアメリカで弁護士や医師で成功しているのは、知識と「意志力(さきのばしの力)」に加え、患者や顧客の表情が感情が読めるから。一方で、そのような敏感な性格な人間が作る社会は、変化やリスクを嫌い、周りを気にしながら行動する必要がある高ストレスな社会になってしまう。他人や社会を変えることができないなら「嫌われる勇気」を持つしかない、ということになる。