ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3) (新潮文庫)

・書物から得た知識も、現実とのつき合わせを経て、はじめて認識になりうる。認識とは、普通に言えば、何が重要か、を理解することである。

・敬意を払われることなく育った人は、敬意を払われることによる実用面のプラス、すなわち波及効果の重要性が理解できない。ゆえに、誠心誠意やっていればわかってもらえる、と思い込んでしまう。

・残念ながら、人間性はそんなに簡単でない。人間は心の底で、心地よくだまされたいと望んでいる。クラウディウスは、心地よいと思わせながら他者をだますたぐいのパフォーマンスは不得手だった。