アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男 (岩波現代文庫)

読んでいると憂鬱になりマイナス思考になってきたので途中で読むのをやめた。
人間は結果責任を常に負うことを意識し、自分の選択がどういう結果をもたらすか良く考えて決断しなければならない。

気になった言葉をメモ。

私に個人的な決定権はなかったんです。もし私がいなくても、同じ部署にいた別の人間が、課の上からの命令、指示、法令によって全く同じことをしていたはずです。私にはそもそも何かを決定する権限など一切ありませんでした。

「上からの命令」という事実が人間の良心の正常な働きを著しく阻害するという問題

ヤーコプ・ブルクハルト
「明日何が起きるのか、過去の歴史を見ただけでは分からない。」
「だが、将来のあらゆる可能性を示唆してくれるのも歴史である。」

一官僚として、彼は死に追いやられる人間の苦痛に対し、何の感情も想像力も有してはいなかった。

偶然ユダヤ人課に配属。

そこで熱心かつ勤勉に働き、やがて出世のチャンスをつかむ。

上司は彼の仕事振りに満足し、数百万のユダヤ人と数百万の親衛隊員に関する権限を彼にゆだねる。